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アートにおける「ディフュージョン・ライン戦略」について考える
全国的に夏日となった今日、軽井沢も20度くらいに気温が上がりました。
今日のノルマである、毎月20日配信のメルマガ『画家川田祐子のニュースレター』No.76が無事配信できました。
今回はサンプルとして、下にリンクを貼っておきますので、クリックしてご覧ください。
ご興味を持った方は、是非左サイドバー上部のメールフォームから、メールアドレスをご登録、よろしくお願い致します。
今月号は、新作のドローイングを6点掲載することが出来ました。
ドローイングを制作しますと、キャンバス作品や、版画作品も制作したくなってくるのですが、一度に何でもできるわけではないので、じっくり焦らずにコツコツと作品を増やしていきたいと思っています。
このところ絵画とドローイングと版画の自分なりの区別を明確にしていきたいと考えていて、商業戦略に何か参考例はないか調べてみました。
例えば、同じブランド会社でも、比較的手に入れやすい価格帯の商品と高級商品とを、ラベルやロゴを変えて販売する戦略があります。こういう戦略を「ディフュージョン・ライン戦略」と言うそうです。高級商品を購入できない顧客にもブランド名や製品ラインに親しんでもらうことを目的としていて、高級品とディフュージョン・ライン商品の価格帯を明確に分けることで、消費者に高級品の価値を保ちつつ、より手頃な価格帯の商品を提供することができるという販売戦略です。
おそらくアートにおける版画の頒布が元になっているのではないかと思います。本来写真という技術が発明される以前は、物故作家や有名な作家の絵画作品を遠くの国にも広めたり、絵画作品を販売するためのチラシとして当時印刷技術の主流であった銅版画や後に石版画が活用されたのですが、次第に、有名になる前の例えばターナーという作家は、この手法を取り入れて、自分の作品をアーティスト自ら積極的に広めるようになったのです。
(この版画の歴史的な話しは、YouTubeにてご視聴ください。)
しかし、「ディフュージョン・ライン戦略」にもデメリットが指摘されているようです。ネットで少し調べましたら、インターネット時代に入って、うまく行かなくなったという記事が上がっていました。「ディフュージョンブランドをもつことでブランドは、2つの異なるコンセプトを同時に運営するために、労力を分散せざるを得なくなる。これは容易なことではない」ことや、「消費者も様々な商品がありすぎると選べなくなるという現象が起きる」ようです。
何事にも、メリットとデメリットがあるものです。アーティストは、負担になるような制作であっては、作品のクオリティに影響が出るでしょうし、アート購入者にしても、版画と絵画とでは全く好みが分かれます。同じ作家のものだからどちらでも良いと判断する購入者は、案外アート入門者で、本当に版画が好きな人は、生粋の版画家の作品が欲しいのではないかとも思う。ですから、あまり突き詰めて版画制作に埋没してしまうよりは、もっとおおらかな版画制作でも良いのではないかと考えているところです。
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