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個性と没個性
私はもともと内向的です。なので、人に自分の個性を見せる作家になるとは、夢にも思ってもいませんでした。美大には、たくさんの個性的な女性たちがいました。ファッションもまちまちで、当時私は、最も没個性的なハマトラ系でした。いかにもアーティストというようなファッションやヘアスタイルが恥ずかしくて出来ません。私は正直、ダサいです。それが私の個性を守るポリシーで、今も全く変わりません。
ファッションや、付き合う男性、車、家、家族で自分の存在を確かめることを極力避けてきました。それは逆に自分を見失うことだからです。自分を見つめていくと、結局のところ、個性など何もないというところまでたどり着きます。それを前提にして、絵を描き始めました。「没個性」そのものを絵にすれば良いと思ったのです。
ところが1枚、また1枚と描いている内に、「どうしても私はこれが描きたい」「これは自分らしくないので描けない」というものが見えてきたのです。絵画制作は私にとって、自分を知るために、なくてはならないものになりました。
逆に、絵画制作をしていたおかげで、すっかりファッションや、付き合う男性、車、家、家族について考えることがなく、このような一人暮らしの人生になりました。でも何も後悔していません。「自分を生きられているからです」
絵画制作をしながら、自分を知ることは、とても興味深く、心から楽しめることです。自分のダメなところも含めてです。考え方の癖や、バイオリズム、1日のうちの何時頃が調子よく制作に集中できるかとか、何を食べるとどのような気分になり、どのように制作に都合が良いか、あるいは、調子が悪くなりそうな時に、どのようにコントロールすると調子が戻ってくるか、季節ごとに環境や衣服をどのように整えると、最適な制作が維持できるか、1日1日よく観察しながら出来てくる作品から、さまざまな気づきがあります。
そのように積み上げてきた私の制作上の個性も、最近はやはり「もともとは没個性」を前提に、自分の中で革命を起こそうと努力しています。Photoshopには、選択範囲をクリック一つで、選択範囲を反転させる仕組みが用意されています。例えば、「図」を選択して囲っていた範囲を反転させて、それ以外の「地」を選択して囲い込むことが自動でできるのです。
これと同じように、没個性の私のこれまで確認できていた自分、それ以外の潜在能力を発揮しようとすると、選択範囲を反転させた中から見つけるということもアリなはずです。
これは結構勇気が必要です。それは「自分ではない」と今まで選択してこなかったものだからです。しかしことによると、その「自分らしからぬ」部分を確認したり、認めることだけでも新しい自分を発見していくきっかけになるのかも知れません。そう思うと、結構ワクワクします。
そう言えば今日の午前中、昨日スマホで撮影していた写真を思い出し、この空に浮かぶ雲は特徴的だなと見ていました。それからYouTubeでニュースをチェックしていましたら、たまたま地震の予兆として「レンズ雲」が出現する場合があるという情報に出会いました。もう一度昨日の写真を確認すると、まさにその「レンズ雲」でした。
私の感覚としては、地震の予兆のようには感じられませんでした。ただ「特徴的だ」と感じただけです。そしてむしろ稀に見る形で、とても整っていると感じました。「特別な何か」を感じることは、自然の中にたくさんあります。これもその一つです。そういうものに出会う時、私自身に何かを伝えていると思うようにしています。
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